自然栽培とは?自然農法や有機栽培との違いは?

2015.5.5

  自然栽培」には有機JASのような法的な定義がないため当店では「自然栽培とは、農薬・除草剤・化学肥料はもちろん有機肥料(畜産堆肥、油粕、米ぬか、魚粕等)も使用せず、土壌と作物そのものが本来持つもつ自然の力を発揮させることで作物を栽培する農法」と定義しています。

基本的に、除草、耕起、管理は十分に行っており、放任農法ではありません。

 自然栽培では農薬はもちろん肥料も一切使わないのが大きな特徴です。肥料を使わなくて作物は育つのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、そもそも山や森の落ち葉・土には十分な肥料成分はありません。しかし、肥料が加わらなくても毎年新しい葉や実をつけ大木が育ち豊かな自然環境を維持しています。それは落葉や枯れ木、そこに住む多くの微生物や動物由来の有機物が、微生物や腐植物の働きで土に養分として供給されているからです。
 自然栽培も、作物と土そのものが本来持つ力を最大限に発揮できる状態にすることで、肥料を入れることなく作物が育つようになるのです。自然栽培では、土壌生物(土壌動物と土壌微生物)が盛んに活動して(活性化)、肥沃な土が作られていくことがとても重要となります。農薬を使ったり肥料を入れてしまう、もしくはそれらの成分が残留して養分が多すぎる状態だと土壌生物は活性化しないので、作物はうまく育ちません。肥沃な土が作られていくと、特別に手を加えなくても、生命力が強くて品質がよく収量もある程度保った農産物が収穫できるようになるのです。

 

よく似た言葉で「自然農法」と言われるものがあります。

 自然農法の代表的な実践者として、福岡正信氏、岡田茂吉氏、川口由一氏、最近では木村秋則氏等が挙げられるのですが、自然農法も有機JASのような法的な定義がないことから、代表的な実践者であってもその手法が人により様々であること、化学農薬や化学肥料を使っていないものを自然農法とおっしゃる方もおり、自然農法という言葉は、あいまいで広義的な言葉になってしまっているのが現状だと当店では考えています。

そのため、当店では自然農法とは広義的に「化学農薬や化学肥料に頼らず微生物等自然の力を利用する農法」と考え、自然栽培とは区別しています。

 自然栽培も細かい定義は生産者や取扱い店により異なるのが現状ですが、無施肥無農薬が基本であることに変わりはないようです。

 

なお、当店では「自然栽培」の基準を下記のように定めています。

・農薬は、除草剤や殺虫剤はもちろん有機JASで許可されている天然系農薬も含めて使用していない

・肥料は、化学肥料・有機肥料(畜産堆肥、油粕、米ぬか、魚粕等)・EM菌やぼかしを含め施肥していない

・農薬の心配がない落ち葉や枯草、自然栽培の籾殻や稲わらのすきこみは認める。(※1)

・炭素資材は初期の土作りに用いるときのみ認める(※2)

・固定種、在来品種及び自家採種優先(※3)

※1.落ち葉、枯草、籾殻や稲わらのすきこみは、農作物に直接養分を供給するためのものではなく、土壌の団粒構造化を促進するために用いられるものです。いずれも窒素・リン・カリウムなど養分は少なく、土に入れてから種を播いても苗が無事育つ状態の有機物の事を指しており、自然堆肥や土壌改良資材とも表現されるものです。

※2.木質チップや菌糸(放射能汚染の心配がないものが大前提)等の炭素資材を圃場に投入することで土中の微生物を活性化させる炭素循環農法の場合、新しくはじめられた生産者の収量確保の面からも、初期の土づくりにのみ炭素資材を用いることは可としています。以後も使い続けている場合は、自然栽培とは区別しています。

※3.種はその土地に合った固定種、伝統品種を用いての自家採種が、結果的には自然栽培に一番適しているので(市販購入種子は種子消毒や肥料に依存しているものが多い為)優先としていますが、種採りは多くの手間と時間もかかります。そのため、当店でも現時点では市販購入種子での自然栽培も認めています。なお、自然栽培実施年数が長くなると、市販購入種子での生育は難しくなり自家採種に取り組む必要が出てきますので、自然栽培をはじめられた方の多くは、同時に自家採種も取り組まれている方が多いと言えます。

 

「有機栽培との違い」

・有機栽培:第三者(登録認証機関)による認証が必要、指定された農薬や化学肥料を使用しない、植物性や動物性の有機肥料を使用する農法

・自然栽培:法的な定義がない為自己申告制、農薬や化学肥料及び植物性・動物性の肥料も含めて一切使用しない 

有機栽培は化学合成農薬、化学肥料、化学合成土壌改良材を使わないで(ただし、指定された天然系農薬の使用は認められています)、3年以上経過し、植物性や動物性の堆肥等(有機質肥料)による土づくりを行った場所で収穫された農産物をさします。認証された農産物やその加工品には「有機JASマーク」付され、「有機栽培」や「オーガニック」といった商品表示をすることができるようになります。

有機Jas認定マーク.jpg⇐こちらが有機JASマークです。

 

自然栽培は法的な定義がない為、自己申告制となることから、農家さんや製造者との信頼関係が非常に大切になってきます。当店でも必ず裏作を含めた栽培方法や製造方法の確認を行い、納得したもののみ取り扱うようにしています。

 

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