腸の状態と健康との関係

2019.1.29

 前回「腸内フローラとは?」の項で、腸内細菌は私たちの健康を左右する大きな影響力を持っているとお伝え致しました。

 腸内には100種類以上の細菌が棲んでいると言われておりますが、人にどんな影響を与えているかで大きく3つに分けられます。悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促したり、ヒトの体に有用な働きをする「善玉菌」、腸内を腐敗させたり有毒物質を作るなど体に悪影響を及ぼす「悪玉菌」、状況によって善玉菌に協力したり悪玉菌の味方をする「日和見(ひよりみ)菌」があり、日々勢力争いをしています。

 健康な人の腸内は、善玉菌が悪玉菌を抑える形で腸内フローラが一定のバランスで維持されています(正常細菌叢)。反対に、何らかの原因でこのバランスが崩れて悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内の腐敗が進みアンモニア、フェノール、インドールなどの体にとって有害な物質が増えてしまいます。増えた有害物質は腸管から吸収されると、肝臓、心臓、腎臓等の各臓器に負担を与え、様々な病気や不調を引き起こす要因となってしまうのです。

 腸の状態が良いと病気になりにくいのは、外敵から私たちの体を守るための免疫システムを司る免疫細胞の60〜80%が腸に集まっている為です。その腸の状態を整えてくれるのが乳酸菌やビフィズス菌・フェカリス菌・酵母菌などの善玉菌です。善玉菌には様々な種類がありますが、がん細胞やウイルスを見つけ出して除去するNK細胞という免疫細胞を活性化する作用があったり、血圧の上昇を防ぎ、血糖値の上昇を緩やかにするなどの生活習慣病の予防や改善に効果を発揮したり、アレルギーの軽減にも働くことが分かっています。

 また、腸の状態は、体の健康だけでなく、心(精神)の健康にも影響を与えることが分かってきました。脳と腸にはそれぞれ独立した神経系があって、お互いに密接に関わっています。いわゆる「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの多くは腸で作られており、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする作用があるのですが、生活習慣や食生活の乱れによってセロトニンの量が減ってしまうと蠕動運動が停滞して便秘の原因となってしまいます。この状態が続いてしまうと腸でも脳でもセロトニンの分泌がさらに低下し、心と体の不調を招きやすくなってしまうのです。 

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